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日々の食事やお弁当、お菓子にパン、手作りの味をお届けします


by chinacafe-0219

おはぎ

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今日のおやつに、おはぎ。


これを出したときに、「ぼた餅」とどう違うの?って聞かれ、「ぼた餅は、牡丹の花が咲く、春のお彼岸のころに食べるから。おはぎは、萩の季節、秋のお彼岸に食べるから。同じものだけど、食べる時期によって違うんだよ。」って言ったら、「知らないと思って適当なこと教えてない?」って言われちゃいました。(汗)

本当です!



実は、夏と冬にも別名があるらしいのです。

おはぎ(名前がたくさんあって呼びにくいので、一般的にはおはぎと呼ぶことにします。)は、お餅と違い、餅つきをしません。

杵でつかないので、「ペッタン、ペンタン!」と音がしないのです。

具体的には、もち米とお米を混ぜて炊き、すりこぎで半つぶしにするのですが、ペッタンペッタン音がしないので、お隣さんなどからすると、いつついたのか分からない。

そういうところから、

夏は、夜船
夜は船がいつ着いたのか分からないことから、搗(つ)き知らず → 着き知らず、となり「夜船」となったようです。

冬は、北窓
北窓は「つき(月)入らず」=「つき(搗)入らず」にかけて、月の見えないのは、北の窓なことから「北窓」となったようです。


昔の人は、おはぎ1つをとっても4つの名前をつけるほど、自然や季節との結びついて、遊び心もありながら風情もあったんだと感心させられます。

忘れてはいけない日本の心を思い出させてくれるようです。




夏と冬の別名はさすがに知りませんでした。






それよりもおもしろいのは、おはぎを「半殺し」と呼ぶこと。





むかし、むかしの江戸時代。

国許へ帰る途中、現在の山奥県の某山中で日が暮れてしまい、山奥の一軒家で一夜の宿を取ることになった、某藩のお侍さんのお話です。

家の主は、親切そうな老夫婦です。

何もありませんが、と恐縮しつつ、粗末ながらも心のこもった夕食や床を、お侍さんに提供してくれました。

さて、老夫婦に感謝しながら、早めの床についたお侍さんでしたが・・・。

深夜、隣室から「ぼそぼそ」と聞こえてくる老夫婦の会話に、ふと目をさましました。

「・・・手討ちにしようか・・・いや、半殺しにしようか・・・」

炉辺の老夫婦が、真剣な表情で、物騒な会話を交わしています。

「さてはここは山賊の根城だったのか!?」

驚いたお侍さんは、慌てて刀を手繰り寄せると、そのまま、まんじりともせず一夜を過ごしました。

そして、次の日の朝・・・。

老夫婦の自分を呼ぶ声に、用心しぃしぃ、炉辺へと出て行ったお侍さん。

そのお侍さんの前に、老夫婦はにこにこしながら、朝餉(あさげ)の膳を運びました。

「お口に合うかどうかわかりませんが、婆さんの作った半殺しでございます」

半殺し、という言葉に目を剥いたお侍さん。

しかし、お膳の上に乗っているのは、どう見ても、もち米を餡子で包んだ見慣れた「ぼたもち」です。

「ひょっとして、半殺し、というのは・・・ぼたもちのことか?」

「はい、この辺りのぼたもちは、もち米を半分しかつぶさないので、半殺し、といいます。江戸のように、もち米をほぼつぶしてしまうのは、皆殺し、といいます」

「で、では、手討ち、というのは、何のことじゃ?」

「ああ、それは、うどんのことですわ。手打ちうどん、といいますでしょう?」

おじいさんの言葉に、お侍さんはようやく、自分の「早とちり」を悟った、というお話。





この話を聞いたのは、結婚前だったんだけど、おもしろいよね~。
by chinacafe-0219 | 2008-12-03 22:19 | SWEETS